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【煽り特集】言葉で表現できるからこそ、想いを受け継いでいきたい。|早稲田大学よさこいチーム東京花火



Text by 伊藤幸輝(@yosari_kouki
Edited by 日原多瑛子@tae_yosari

 

皆様こんにちは!yosari編集部 伊藤です。

よさこいで人と人を繋ぐWebメディア「yosari」の活動を始めて、半年が経ちました。

最近は、様々なチーム様から取材やイベントのご依頼を頂き、ありがたい事によさこいオフシーズンの活動がさらに加速しています。 yosari編集部一同、「よさこい2019」をメディアとして、よさこいの素晴らしさを一人でも多くの方に感じて頂けるよう、情報発信により一層力を入れていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

私自身は、3月初旬に初めて高知県に行ってきまして…。本場のよさこい、よさ人と関わることができ、ますますよさこいへの熱が高まっております!!

さて、今回は新企画を私が担当させて頂きます。

 

新企画のテーマは…「 煽り特集 」!!

 

演舞中、曲に声をのせる事ができ、唯一チーム全体を見渡せる存在。

時に、熱く、 時に、静かに、 演舞の表現者になり、 チームを鼓舞する、

そんな煽りを、本気で作る人がいる。

学生チームの限られた時間の中で、彼らは、何を思い、どうチームを表現するのか。

今回の企画は“煽り”にフォーカスし、よさこいの奥深さをより一層お伝えできたらと思います。

 

 

煽り特集第一弾として取材させて頂いたのは、早稲田大学よさこいサークル「東京花火」の代表、佐内祐さんと煽り部署、早川諒さんです。

左から早川さん、編集部伊藤、佐内さん

私自身も東京花火のファンでして、大学4年生の頃、煽りを考える際に東京花火さんを参考にさせていただいたこともあり、今回取材の依頼をさせていただきました。

 

視界を広げてくれたのは、煽りだった

——ふたりが煽りを始めたきっかけは?

早川さん
声を出すことは好きだったし、そういうのにあまり抵抗がなかったので、もともとやってみたかったんです。カッコいい煽りを見る度に「あんな煽りをやって、みんなを鼓舞させたい。」と思っていました。

そんな時、仲の良かった2つ上の先輩に誘ってもらったのがきっかけで、1年生の高知の時に初めて煽りをやりました。やってみて、色んな人から褒めて頂いてハマっちゃいました。
最初は下手でも、回数を重ねるにつれて上手くなっていき、自分のレベルアップも感じながらのめり込んでいっちゃって…気づいたらここまで来てしまいました(笑)。

佐内さん
社会人チームは代表がずっと煽りをやる事が多いのですが、東京花火の煽りは立候補制なので、やりたい人が煽りをできるんです。

自分もなんとなく煽りをやってみて「やばい楽しい」と、のめり込みりました。
やっぱり、チームの環境として、みんなにそういう体験をして欲しいっていうのがありますね。自分自身もそのおかげで煽りの魅力を知ることができました。

 

——煽りをするようになってからよさこいの見え方というか、チームの見え方というか、何か変わったことなどはありますか?

早川さん
ありますね。元々は普通に踊り子としてずっと踊っていたんですけど、そのときは「自分が楽しければいい」「周りの踊り子と楽しくやれればいい」って思ってたんですよ。

でも、初めて池袋で煽りをしたときがきっかけで意識が変わりました。

それまでは自分のためだけの踊りだったのが、「みんなを楽しませる」っていう重要な役割である煽りを務めることによって、周りを見れるようになったとも思います。
基本的に煽りって良ければみんな盛り上がるし、逆に悪かったら演舞が盛り下がっちゃいますよね。そういう中で盛り上げるということの楽しさをそのときに実感しました。

皆が楽しそうにしていたり、地方車の上から見たときにみんなが満面の笑みで踊ってくれていたり、鼓舞する言葉を発したときにみんなが大きな声で応えてくれたり。
皆を鼓舞できることが何よりも楽しいですし、鼓舞するときの言葉選びはものすごく気合いが入りますし、やりがいも大きいです。

佐内さん
本当にそう。
どうしても中で踊っていると、どう頑張っても隊列で近い人など、自分の周りを見るので精一杯になってしまいます。 でも煽りは“全体”を見ることができるんですね。
「よさこいは全体で見るとこう見えるんだ」っていうことだったり、みんなが「揃っている」っていう感覚を一番知ることができるのは煽りだと思います。

もう1つ、自分が初めて煽りをやったときに感じたのは、
“みんなの顔”と“お客さんの顔”が見れるのが本当に良い。
それこそ多くのチームさんの代表が煽りをやる理由だと思うんですが、みんなの顔を見て、みんなに訴えかけて、踊ってはいないけど「みんなと一緒にひとつの演舞を作っている」って一番感じることができる場所なんです。

だから、みんなの顔を見ちゃうからセリフも飛んじゃうんですけど(笑)。

東京花火らしい煽り、とは?

——今特に力を入れているのは?

早川さん
ちょうど制作期間なので、煽りを作っています。東京花火は演舞の中で正規の煽りがあるので、制作ではその部分を決めています。

毎年課題になるのが、絶対にみんなの頭に残る一言。
他チームさんでも聞いたことある、東京花火だけの決め台詞が一言でもあると、その演舞に色がつくんです。
そういう言葉を探し出す作業は難しいですし、何年も演舞を作ってくると言葉が徐々に似たり寄ったりになりがちなんです。今までの伝統を受け継ぎつつ、いかに新しくしていくか。これが課題ですね。

 

佐内さん
振り、曲、衣装など含めて、東京花火すべての制作に言えることは、花火らしさ、アイデンティティが難しい。

学生の中では数少ない高知系チームなので、高知のよさこいをしっかりやりたいんです。鳴子もちゃんと鳴らしたいし、振りもよさこいらしく、曲もできるだけ高知系をやりたい。
それでも、本場のチームが強いです。そこで、何で勝てるかと言ったら学生らしさだと思うんです。そのひとつとして、新しいことに貪欲にチャレンジしていく。高知という伝統を守りつつ、新しい学生らしさとの兼ね合いが表現できればと思っています。その分難しいのですが。

 

制作期間は、“東京花火らしさは何か”を考え続ける期間です。

早川さん
東京花火らしさを表すのは、まさに煽り。演舞の熱量をググっと上げるというよりも、言葉で世界観を表現することを大切にしています。

佐内さん
煽りが東京花火らしさを残してくれている感じもちょっとあるよね。

早川さん
そうかも。曲調がどんなに力強くなっても、綺麗な言葉の煽りが高知系に引き寄せてくれるので。

代々受け継がれる言葉が、今の東京花火をつくる

——東京花火が煽りに込める想いというか、今までの先輩たちから「これは受け継がれているなあ」って感じることってありますか?

早川さん
やっぱり、世界観を表現することに特化した…それこそ“表現する”という特徴がありますね。

だけど、やっぱり表現するだけだとつまらない。なので、世界観を表現するところと合わせて、毎年東京花火らしいワードを入れています。

東京花火らしいワードを使ってみんなを鼓舞するようなパートがあるんです。
例えば「大輪花」とか、「夢花火」とか。そういうのをうまく取り入れながら東京花火の伝統を引き継いでいます。実際、毎年毎年受け継がれているワードはありますね。

佐内さん
「ここで踊らにゃいかんちや」とか。

早川さん
そうそう、それも毎年「入れたい!」っていう風になるよね。

もちろん、演舞中に入れられる言葉の数が限られてくるので、実際には“去年の演舞で入れられなかったワード”とかも出てくるんですよ。
そうやって東京花火らしさを受け継ぎ続けている、っていうのはあるのかな。

 

——先輩たちが作ったものも取り入れていく。そしてそれが「東京花火らしさ」にもなっていくんですね。

早川さん
東京花火は、過去6つの演舞を持っているのですが、年に一度最も古い演舞を踊り納めて、どんどん更新されていくんですよね。
踊り収められた演舞の中で、綺麗な言葉だったり印象に残る言葉は新しい演舞に入れられたりもするんです。

 

——それって先輩にとっても嬉しいことですよね!

早川さん
そうですね、それこそ先輩にとってお気に入りの言葉が数年越しに出てきたりだとか。

佐内さん
そういう受け継がれていく言葉作りたいよね!

——直属の先輩じゃなくても受け継がれているものがあるっていうことが、東京花火の煽りの“歴史”にもなってるんですね。

早川さん
去年の『ハヰカラ』なんかは『からくり』をよく参考にしましたね。

前口上の後、曲が始まってすぐのところなんかは「さあさあ」で入るところとか…。そういう目で見ると面白いっていうところもありますよね。

——へ~面白い!こういう話聞くとめっちゃYouTube見たくなりますね…。

佐内さん
あと僕は学生にしかない「一瞬」、今過ごしているのは本当に短い時間なんだってことを煽りも大切にしていると思ってます。

 

それこそ『花火賛歌』ですね。

人の集まり 散じてを
祭花火に 例えれど
散りても集うは 人の縁
一期一会の 東京花火

 

この言葉も人が集まってまた離れていくけれど、目の前にある一瞬一瞬を大切にしていこうっていう意味だと思っています。

「夢花火」もそう。まるで夢だったかのような思い出、そんな意味合いで使っている人も多いと思うんですね。
よさこいって、学生である今しか経験できないことだと思ってて。今しかない一期一会や一瞬一瞬、そういったものは大切にしたいですね。 そして、そういう想いが煽りというものも通じて代々引き継がれてきている。 そうして今の自分があると思ってます。

声を力に、東京花火の世界を

——「こんな煽り手になりたい」というか「こんな煽りをしていきたい」という思いはありますか?

早川さん
女性だったら綺麗な言葉や、世界観を表現するようなところが似合うし素敵だなと思うんですけれど
男性だったら盛り上がるところでドンと盛り上げられるような、そういう盛り上げ上手な煽り手になりたいですね。

憧れている男の人が1学年に1人くらい、上の代にも、そのずっと上の代にもいるんですけど、そういった方々に憧れ続けてこれまでやってきた気がしていて。
自分が最上級生になった今「あ、次の会場早川さんの煽りだ!やった!楽しみだな」と思ってもらえるような、踊り終わった後にも「楽しかったよ」って言ってもらえるような、そういう煽り手になりたいと常に思っています。

声だけじゃなくて、自分の中で1つの「世界」を作って踊り子を引き込むような、そういう意識でやらせていただいています。

 

——自分にとって“煽り”とはどんな存在ですか?

早川さん
去年の代表が、煽り制作のリーダーだったのですが、制作メンバーに「声を力に」という言葉を伝えていて…僕、その言葉がとっても好きなんです。
煽りがないと演舞がふにゃっとしちゃうし、自分自身も力が抜けちゃうというか。煽り自体が自分にとってのパワーです。

 

——では最後に、今作成中の新作演舞『あそばせ』やチームや個人などにおいて、2019年に目指していく目標はありますか?

早川さん
『あそばせ』は今までにない感じになっていて、「よさこいなのか?」「あそぶ?よさこい?」みたいなイメージがあると思うんですけど、僕ら演舞を作るメンバーも結構苦労していて。
どうやって綺麗めな言葉だったりかっこいい言葉だったり世界観を表す言葉をチョイスしていくか、そして演舞をメンバー内にお披露目したときに「めっちゃいいじゃん!」って言ってもらえるようなものを作りたいです。

お客さんはもちろんなんですけど、それ以前にまず東京花火の子たちに「え、めっちゃ好き!」「この煽りやってみたい!」って言ってもらえるようなものを作る、それがまず最初なんじゃないかなと思っています。
そうしていく中で、お披露目をしてお客さんにも見てもらって、個人のレベルアップだったり、日々小さなことを積み重ねて。

そして1年後、引退のときに一番かっこいい踊りと煽りをやって終われたら…それが一番なんじゃないかなと思います。

終わりに

一つの演舞を構成するパーツである、煽り。煽り手の思いを知ることで演舞を見ている人も、踊り子も、もっと煽りに興味を持つよさこい人が増えれば…そんな気持ちを込めて、この特集を組みました。そんな中、第一弾としてご協力いただいた東京花火のお二方、本当にありがとうございました。
演舞制作中の、2019年度演舞…とっても楽しみです!この記事を読んだあなたが、東京花火の魅力にもっと触れてもらえたら嬉しいです。

 

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Text by 伊藤幸輝(@yosari_kouki
Edited by 日原多瑛子@tae_yosari

 

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